自宅コーヒー焙煎のやりかたを初心者向けに説明

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自宅でのコーヒー焙煎を「これからチャレンジしてみようかな」と思っている方向けに、やり方をご説明します。

コーヒー焙煎とは、生豆に化学反応を起こすこと

そもそも焙煎とはなんでしょうか。

火で熱して、黒っぽい色にするる。
焦がすのに似ていますが、もちろん、焦げとは違います。

大手コーヒーメーカーのUCC上島コーヒーのサイトにはこのように書いてあります。

焙煎(ロースト)とは、コーヒーの生豆を炒る加熱作業のことです。収穫・精製された生豆は淡緑色をしており、味も香ばしさもほとんどなく、この状態では飲むことはできません。焙煎が進むと豆は茶褐色、さらに黒褐色へと変化していきます。焙煎によって、豆に含まれる成分が化学変化を起こし、揮発性の素晴らしい香りや、苦味、酸味、甘味といったコーヒー独特の風味が生まれます。

焙煎する | おいしいコーヒーの淹れ方 | 知る・楽しむ | コーヒーはUCC上島珈琲

なるほど、つまり、生のコーヒー豆を加熱することで、化学反応を起こすことですね。

生のお肉が、こんがり焼くことで褐色で香ばしく美味しくなるように。
玉ねぎが、じっくり炒めることで飴色になり、甘いコクを出すように。

「美味しい化学反応」を起こすための過程が「焙煎」なんですね。

コーヒー豆の正体は、コーヒー果実の「種子」

コーヒー豆は、生豆に関するページでご説明していますが、豆というよりは種子です。

果実に包まれた種子なので、フルーツを食べたときに出てくる種をイメージいただくとわかりやすいと思いますが、本来水分を含んでいるものです。

コーヒー生豆として出荷されるときには、既に乾燥工程がなされていますが、
それでも生豆の状態では中に水分を含んでいます。

コーヒーを焙煎する際には、まずはこのコーヒー豆の中に入っている水分を加熱して飛ばして、その後にこんがりと焼いていくのです。

ぜひ、焙煎をするときは、料理をするようなイメージでチャレンジいただくと、おいしくできると思います。

焙煎のやり方次第で無限に広がるコーヒーの味わい

コーヒーの焙煎度は浅煎りから深煎りまでの幅があります。
焙煎度合いに応じて、味わいが変化します。

浅煎りのほうが、酸味があってさわやかで、
深煎りにしていくと苦味とコクがでてきます。

ざっくりいうとそんな感じですが、これは焙煎の化学反応によって、コーヒー豆内部の成分が変化しているから味が変わるのです。

さらにコーヒー豆は、この焙煎度合いだけではなくて、他にもいろいろな要素で味が変化します。

豆の鮮度、焙煎時の室温、湿度、炎との距離、炎の温度、焙煎時間、焙煎機内の排気などなどによって全然異なる味になります。

同じ豆でも、やり方次第で何通りもの味が出てきます。

コーヒーを焙煎する8つのステップ

さて、前置きはこれぐらにして、早速コーヒー焙煎のやり方を8つのステップに分けてお伝えしていきます。

ハンドロースターを使ったコーヒー焙煎の方法を動画で解説

この手順は動画でもご説明していますので、合わせて見ていただくとよりイメージがしやすいかと思います。

1.事前準備 必要なものを揃える

まずは、事前準備です。コーヒー焙煎に必要なものは下記です。

・コーヒー焙煎機(ここではWAGAYA ROASTERのハンドロースターを使用)
・コーヒー生豆
・底が暗い色のトレー
・キッチンタイマー
・ザル
・うちわ or 扇子などあおぐもの
・火(ガスコンロ)

今回は、ハンドロースターを使ったコーヒー焙煎の方法をお伝えします。
※フライパンや手網、陶器製のものや、もっと凝った手回しぐるぐるのものもありますが、そちらだと火をいれる過程が異なります。

追ってご説明しますが、焙煎時間を測るためにキッチンタイマーを使用します。
また、焙煎が終わった豆を移すためのザルと、冷却用のうちわか扇子を用意します。

焙煎中は「チャフ」というコーヒー豆の薄皮が春の桜のごとく舞い散るので、事前にガス台の周辺は片付けていただいたほうが良いと思います。

キッチンが汚れることを避けたい場合は、屋外でカセットコンロを使って焙煎するという方法もあります。

2.ハンドピッキングで欠点豆を取り除く

コーヒー生豆は、必ずしもすべてが美味しく飲むことができる豆ではありません。

どんな高級な豆でも、虫食いがあったり変色していたり、カビが生えている豆も混じっています。

それを手作業で取り除くのが「ハンドピッキング」です。

ハンドピッキング作業の動画(再生時間10秒)

コーヒー焙煎でもっとも骨が折れる作業がこのハンドピッキングです。
でも非常に重要ですので、丁寧に行います。

第一に、ハンドピッキングをやらないと味に悪影響がでます。悪い豆は、1粒でも入っていると、抽出したコーヒーの全体の味が落ちます。エグみが強くでて、美味しく飲めません。

第二に、カビや虫食い豆や異物を飲むと体に悪いです。(カビは、発がん性もあるらしいです。)

欠点豆の種類

・変色した豆(茶色くなっている、黒くなっている、黄色いもの。発酵している可能性あり)
・カビ豆(穴が空いていたりボコボコしていたり、カサカサしている)
・虫食い豆(穴が空いている。欠けている)
・石ころなど

ハンドピッキングは、トレイに生豆をいれて行いましょう。
このときのポイントは、底が暗い色になっているトレイを使用することです。

白いトレイとかだと、反射して細かい違いに気づきにくいですし、なにより目が疲れます。

あとは、ツヤがあるトレイもコロコロ豆が転がってつまみにくいので、黒い布がはってあるようなトレイがベストです。(黒トレイも当サイトで取り扱い中です。)

ハンドピッキング中は、

「これは、欠点豆なのか・・・?」

と判断に悩むこともあると思います。

そんなときの判断基準は、

この豆の汁をすすりたいと思うか、否か

とご自身に問うていただくと、スピーディーな判断が出来るかと思います。

だいたい、当初用意した生豆が100gだとしたら、10gほどは欠点豆になるかと思います。

3.早速、火にかけて焙煎を開始(弱火)

ハンドピッキングが終わったら、早速焙煎を始めます。

まずは弱火で、炎の大きさはだいたい1~1.5cmにしておきます。

1秒に1.5回くらいのペースで、縦に振っていきます。

焙煎初期段階の振るスピード(再生時間5秒)

だいたい、3分ほどを目安にこのステップを継続します。

4.コーヒー豆の内部の水分を蒸発させる(中火)

3のステップを続けていると、徐々にモクモクと水蒸気が出てきます。
そして、コーヒー豆の色の変化がわかるかと思います。

最初は黄緑色っぽかったのが、黄色、白っぽくなって来ます。

コーヒー豆のにおいも感じられると思います。
この時点ではまだ、コーヒーの良い香りとはいえませんが、独特のにおいが出てくると思います。
※換気扇をつけるのを忘れずに。

やや黄色みを帯びてきました

このステップは、2~3分くらい継続してください。

5.火を強め、「焼き」の工程へシフト(中火→強火)

炎が2~2.5cmくらいになるよう、火力を強めていきます。
と、同時に、シャカシャカと1秒に1回振っていたのを、2倍くらいのスピードに早めます。
火の通りが早くなるので、煎りムラを防ぐために早く振ります。

しばらくすると、黄色っぽくなっていたコーヒー豆が薄茶色に変化してきます。

ここからが、「焼きスタート」です。
コーヒーを火から上げるタイミング次第で、焙煎度合いが決定します。

はやく取り出しすぎると、ライトローストと呼ばれる超浅煎りコーヒーになりますが、これだとまだ青臭さが残り、美味しくはありません。

6.1ハゼが発生。浅煎りなら終了(中~強火)

1~2分後、コーヒー豆からこんなことが聞こえます。

「パンッ!パンッ!パパンッ!パパパンッ!パン!」

この音がいわゆる「1ハゼ」と言われる音です。

加熱されたコーヒー豆の内部で、気体が膨張し、豆内部の細胞が破裂する音です。
この音を目安に、焙煎度合いを調節することができます。

1ハゼがおきているときにコーヒーを焙煎機から取り出し、冷却をするとそのコーヒーは「浅煎りコーヒー」となります。

酸味が際立つシナモンローストですね。

煙がモクモクあがっています。

1ハゼが終わって、30秒~60秒くらいの絶妙なタイミングで火から取り出すと、そのコーヒーは「中煎りコーヒー」となります。
酸味と苦味のバランスが取れたミディアムロースト、ハイローストですね。

7.急激に焙煎が進行し、2ハゼが発生。見極めて取り出す(中~強火)

1ハゼが静まってから、さらに1~2分後、もう一度音がなります。

「パチパチチ、パチパチ、パチパチパチパチ」

これが「2ハゼ」です。これはさらにコーヒー豆の内部の細胞が壊れる音です。

このタイミングで火から取り出すと、「深煎りコーヒー」となります。
シティローストです。

さらに数十秒でフルシティローストとなります。
これ以上焙煎しつづけると、イタリアンローストなどエスプレッソに使用するかなり深めのローストになります。

初めての場合は、2ハゼがおきたタイミングで取り出す「シティロースト」がおすすめです。

8.火から取り出し、すみやかに冷却

火から取り出したら、ここからは時間との戦いです。
取り出した後も、予熱で焙煎は進行していきますので、希望の焙煎度合いで止めるには、急いで冷却する必要があります。

ザルに開け、うちわや扇子であおいで冷却をしましょう。

間違っても、素手でコーヒー豆を触ってはいけません。
(大やけどします。)

焙煎したては熱々です。

2分ほどあおいだら、さすがに焙煎は止まるので、あとは風通しがよく日が当たらない場所でしばらく置いてください。

熱がとれたら、瓶やジップロックなどの容器にしまいましょう。

以上、これでコーヒー焙煎ができました。

焙煎の2日後がもっとも美味しく飲めます。

あとは、豆を挽いて飲むだけです!
焙煎直後のコーヒー豆からは、二酸化炭素などのガスが出ています。


焙煎して当日に挽いて飲もうとすると、例えばペーパードリップだと、気泡が思い切り膨れ上がります。

その気泡が、コーヒー豆とお湯の接点を邪魔し、美味しい成分が抽出されなくなってしまいますので、焙煎してすぐのコーヒーはあまりおいしくありません。

ですので、焙煎後は2日ほど寝かせてから飲んでみてください。

自分で焙煎したとは思えない香りや美味しさに、きっと驚きを感じられると思います。

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